2016年8月1日発行 たわわ 第153号


30余年の軌道を大切に

私たちが、毎日ただ夢中で幼い障害児を育てるのに心血を注いでいた頃、やがてやっと手に入れた養護学校を出た先に重度の障害者のためには、何も用意されていないと言うことに気付き始めたのです。
若い母親たちが、広い地域に点在する仲間たちとなんとか小さな学童訓練会を立ち上げ、目標も定かには決められないまま、活動を開始しました。
重い障害を持った人には、それなりにしっかりした日常が必要なのだという信念は今も妥協せずに持ち続けてきたつもりです。
それは立派な建物や、整えられた設備でなくとも、10人いれば十色のニーズを持つ人たちの個々人に合わせられる活動の場を、丁寧に整えて移行という考えでした。
結局それにはある程度しっかりした場が必要であり、専門知識のある人たちのかかわりや、気持ちの温かい熱意のある職員たち、普通に接してくれる地域社会が不可欠なのですが…。とにかく、1日で一番大切な日中の時間に必要なことは済ませて帰る。家に帰れば、リラックス。でもやっぱり訓練やそれなりの学習 (?) が必要なのでしたが、休日はできるだけ地域の商店街に出かけ、“小さな車いすに乗った女の子”のファンを増やしていきました。
決して平坦でもなく、淡々と過ごしてきたわけではありませんが、少なくとも家や私たちの活動ホームしもだの周辺では、理解が広がっていると感じていました。
時々無理解な人たちによる事件もあり、車いすの人が路上で殴られたりすることもあったりしましたが、今度のようなことは初めてです。
一人の変わった人による異常で凄惨な犯罪だ。皆同じ人間として...尊い命に変わりはないのに...としかコメントできないのはまだ良いとして、私たちの思いも、社会の表層にしか届いていないことに力を落としています。
社会に広く残っている差別感情の深さに道のりのまだまだ遠いことを感ぜざるを得ません。

殺されてよい命などない

障害者にとっては、もっとショックは大きかったと思います。
障害者運動の初期の頃のことですが、母親が重い障害児を不憫に思って、殺してしまったことがありました。世間は、大変な思いをしながら育ててきた母親に同情し、原型嘆願書の署名運動を展開しました。
それに対し「自分たちは殺されても仕方がない人間なのか!」という叫びが、その後の障害者たちの運動に繋がっていきます。
たぶん今、その時の絶望感がほん少し分かるような気がしています。
折しも、オリンピック・パラリンピックが華やかに開幕されています。アスリートたちの爽やかな頑張りに声援を送りながら、同じように日々ハンディと戦いながら生きている人たちにも、もう少しの間応援団でいたいと思っています。

  • 7月 4日 支える会家族会
  • 7月11日 支える会家族会
  • 7月14日 GHよつばホーム経営検討会議
  • 7月16日 小栗さん演奏会
  • 7月25日 しもだ事業会議
  • 7月25日 支える会理事会

梅雨開けの暑さはまたひとしおに感じられますが、皆様いかがお過ごしですか。よつばホームで育てているゴーヤも日に日に大きくなり収穫が楽しみです♪
梅雨明けした途端に夏本番という感じですね。
暑い日が続いていますが、よつばホームの入居者のみんなは体調面も順調で元気にこの夏を乗り切ろうとしています。
体温の調節が難しいこともあり、よつばホームの入居者にとって夏は厳しい季節でもありますが、各々自分のスケジュールをこなしていってます。
7月は活動ホームしもだの個別外出がいくつかありました。
まず章子さんがしながわ水族館へ♪ 次に山田さんがオービィ横浜へ、次郎さん阿部さんはサンシャインシティで開催されているウルトラマンフェスティバルへ。
そして花岡さんは余暇のカラオケボックスとみなとみらいホールでの日本フィル夏休みコンサート鑑賞がありました。天候には恵まれたりそうでなかったり・・・!? でしたが、みんな楽しんできた様子です。外出前日は「お財布持った?」「明日何時?」など色々チェックが入りましたが(笑)、帰宅後は楽しそうに土産話に花を咲かせていました。
暑さにも負けずこの夏を乗り切ってくれることでしょう。
それから誕生日ラッシュでもあります。
4月は勢津子さん次郎さん、6月高村さん、7月阿部さん、8月花岡さんの誕生日です。7月23日阿部さんが誕生日を迎えました。よつばホームに入居して12回目の誕生日です!
歳を重ねていくにつれて体調が心配になることもありますが、普段の何気ない様子を気に留め、ちょっとした変化に気づけるように心掛けていきたいと思います。
前号でお伝えしました勢津子さんの様子ですが、5日間の入院となりましたが無事退院しました。結果的には脳梗塞の再発ではなく、発作による意識障害との見解でした。
退院後は体調面や生活面の心配をしましたが、入院前と比較して大きく変わった様子はなくホッとしています。翌週から活動ホームへも通っています。
今後同じようなケースが起きてもスムーズに対応できるように、書類など普段から準備していくことなど職員間で話し合っています。
まだしばらくは厳しい暑さが続きますが皆様どうぞご自愛ください。

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